蝸牛考~アホ・バカ~そして…

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

文化地理学の講義で文化伝播を説明する際に、よく使われるのが、言語(方言)である。

かつて柳田国男がその著書『蝸牛考』においてカタツムリの呼び名が近畿地方を中心に「デデムシ」「マイマイ」「ツブリ」「ナメクジ」となることを発見し、方言周圏論を提唱した…

なんて話を、聞いたことがある人はいるだろう。
あるいは、

「探偵ナイトスクープ」という迷番組(笑)が「アホとバカの境目は?」という調査をし、これが大いに盛り上がった結果、「全国アホ・バカ分布考」として出版され、柳田国男なんて知らない人々にも大いに注目された…

などという話も講義でよく使う。実際、「全国アホ・バカ分布考」は、扱っている話題は学問的であるものの、大学教員の書く生真面目な本と違って、まず読み物として面白い。まあ、著者が探偵ナイトスクープのプロデューサだったのだから、当然か。(なぜ「当然」なのかは、かの番組を何度か見たことがある人ならばお分かりであろう)

「全国アホ・バカ分布考」も少し古くなってきたので、新しいネタを探していた時、Yahooの「特集・ご当地万歳!」にぶち当たった。

こういう方言分布で盛り上がったり、あるいはご当地クイズがヒットしたり、Google Earthなどが注目されたりするにつけ、実はみんな潜在的には地理が好きなのかもしれない、と思う。
要は、学校の地理がおもしろくない、のだろう。その証拠に、大学で地理に関する講義をするたびに、「地理って実はおもしろいんですね」と学生に言われる。実にもったいない話である。

まあ、かく言う私も高校時代は地理を履修しておらず、大学院からやり始めたクチなのだが…。