本当にこまった話

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 久しぶりに日記を書くのにこんなに気が重いとは・・・
 さて,今日紹介するのはある町でのこまった出来事である.

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 ある町が町内に立地する企業の従業員に対し,まちづくりに関するインターネットのアンケート調査を予定していた.

 町と企業の担当者が話し合いを行い,町の担当者は企業側の担当者から従業員に対して町の調査に協力するようにwebページのurlを載せたメールを流すことへの了解を得た.
 それを受けて,町の担当者は,調査専門会社に調査とその準備を委託し,契約を結んだ.委託業者による準備は進み,アンケート用のwebページも立ち上がった.
 町の担当者は,これを企業側の担当者に伝え,企業側の担当者は,webページを確認した上でメールを流す為の決済を上層部に求めた.
 ところがである・・・

 決済の途中で企業側の総務部がアンケートへの協力に反対した.
「業務時間に業務用のPCで実施するアンケート調査には,当社に利益をもたらすものを除いて協力できない」
そして,
「アンケートで当社従業員が必要と答えた施設について必ず整備されるとの町側の確約があれば調査に協力する」
という条件を町側に突きつけた.

 計画の承認は議会が行うものであるから,アンケート調査の結果は,尊重はするけれども,あくまで参考にしか過ぎない.アンケート調査よりも大々的な住民投票であっても,その結果には法的拘束力はない.これが自治体でなかったとして,企業が実施するアンケートであったにしても,アンケート結果の実施を100%確約したアンケート調査など通常は考えられない.
 したがって当然のことながら,町側の担当者は確約できないが,結果は尊重するのでぜひとも協力して欲しいとの回答をした.

 結局,決済は通らず,アンケートについては企業側から協力を一切得られないこととなった.
 町には従業員をアンケート調査を行うwebページへの誘導を行う術はなく、調査は暗礁に乗り上げた.それだけではない.委託業者はすでに業務を開始しているため,町は誰も答えてくれないアンケート調査の委託調査費を支払わなければならないのだ.こんな損失は,納税者である住民に説明が付かない.
 こまったことになった….町の担当者は肩を落とした.
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 以上の話は,ほとんどが事実である.が,内容には若干の変更が加えてある.知ってのとおり,私は町役場の職員ではない. これが他人事ならば良かったのだが…
 
さて…こういう場合,誰かよいアイデアをないだろうか?